2008年10月27日

025【地域決勝】「組み合わせ発表」(第32回全国地域リーグ決勝大会/11月22日〜24日、11月28日〜30日/石垣島サッカーパークあかんまほか)

 地域リーグからJFLへの昇格をかけた「第32回全国地域リーグ決勝大会(通称:地域決勝)」の組み合わせが10月27日、発表された。
 地域決勝には16チームが参加し、4チームずつ4つのグループに分かれ、11月22日〜24日に1次ラウンドを行う。また、1次ラウンドを勝ち抜いた各組上位1チーム、計4チームが11月28日〜30日に沖縄県石垣島にて決勝ラウンドを行う。


【第32回 全国地域リーグ決勝大会組み合わせ】

【日程】
 1次ラウンド:11月22日〜24日
 決勝ラウンド:11月28日〜30日

【会場】
 Aグループ:本城陸上競技場             (福岡県北九州市)
 Bグループ:県立春野総合運動公園球技場    (高知県高知市)
 Cグループ:とりぎんバードスタジアム       (鳥取県鳥取市)
 Dグループ:コカ・コーラ ウエスト スポーツパーク(鳥取県鳥取市)
 決勝ラウンド:石垣島サッカーパークあかんま   (沖縄県石垣市)

【Aグループ】
 ・AC長野パルセイロ    (北信越1部1位/長野県)
 ・ホンダロックサッカー部 (全社3位/宮崎県)
 ・沖縄かりゆしFC      (九州1位/沖縄県)
 ・バンディオンセ加古川  (関西1部1位/兵庫県)
【Bグループ】
 ・カマタマーレ讃岐     (四国1位/香川県)
 ・日立栃木ウーヴァ    (関東1部2位/栃木県)
 ・V・ファーレン長崎     (九州2位/長崎県)
 ・アイン食品サッカー部  (関西1部2位/大阪府)
【Cグループ】
 ・レノファ山口        (中国1位/山口県)
 ・静岡FC           (東海1部1位/静岡県)
 ・グルージャ盛岡      (東北1部1位/岩手県)
 ・NECトーキンサッカー部 (全社2位/宮城県)
【Dグループ】
 ・佐川急便中国サッカー部(中国2位/広島県)
 ・FC町田ゼルビア      (関東1部1位/東京都)
 ・矢崎バレンテFC      (東海1部2位/静岡県)
 ・ノルブリッツ北海道    (北海道1位/北海道)


 予選ラウンド、決勝ラウンドともに各チーム総当りのリーグ戦を行い順位を決定する。
 試合は45分ハーフで行われ、90分間で決着がつかない場合は延長戦を行わず即PK戦となる。90分での勝者には勝点3が与えられる。また、PK戦での勝者には勝点2、PK戦での敗者には勝点1がそれぞれ与えられ、90分での敗者の勝点は0となる。

 決勝ラウンドで上位2チームに入ると、来季よりのJFLへの参加権が与えられる。また、3位チームにはJFLからJへの参入チーム数により、自動もしくは入替戦によって来季のJFL参加が決定される。


 9日間で6試合の連戦と長距離での移動は、クラブの総合力が試される。
 この大会を勝ち抜くには、単純な1試合での強さではなく選手の疲労や勝点計算など、先を見据えた戦い方が求められる。
 「日本一過酷」とも言われる大会の火蓋が切って落とされる。

(文・北沢耕一)
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2008年10月24日

024【全国社会人】「実りの秋を越えて」(第44回全国社会人サッカー選手権大会(トキめき新潟国体サッカー競技リハーサル大会)/10月17日〜22日/東北電力ビックスワンスタジアムほか)

 10月18日から22日にかけて、新潟県内で5試合が行われた全国社会人サッカー選手権大会(通称:全社)。試合数が多く、大会終了から日がたっているため、一試合づつのレポートではなく総括という形で今大会を振り返えっていきたい。

 優勝は北信越1部でも優勝したAC長野パルセイロ、準優勝に東北1部2位のNECトーキンが輝いた全社だが、今大会より行われた3位決定戦で勝利した九州3位のホンダロックが3位、北信越1部4位の松本山雅が4位となった。

 全社は一昨年よりその立ち位置を大きく変えた。それまでは優勝しても名誉のみが与えられる大会だったが、秋田県で行われた第42回大会より優勝、もしくは準優勝チームに全国地域リーグ決勝大会(通称:地域決勝)への出場権が与えられるようになった。
 さらに今季より、3位以内のチームから上位2チームまでに地域決勝への切符が与えられる。
 このことにより、各地域リーグでの地域決勝出場権を得られなかったJFL以上を目指すチームにとって、全社は敗者復活戦の様相を呈してきた。現に第42回大会では静岡FCが、第43回大会ではMIOびわこ草津がそれぞれ全社から地域決勝へ進出している。
 今大会でもホンダロック、Y.S.C.C.、NECトーキン、JSC、松本山雅などが敗者復活を期し、大会へ臨んだ。


 一方、地域決勝への出場権をすでに獲得しているチームにとっての地域決勝は、対戦経験の浅い他地域のチームとの練習試合という側面も持つ。また、決勝ラウンドが石垣島で行われる今季の地域決勝を見越し、予算的な面からも長く全社に拘束されることを嫌ったクラブもあったようだ。

 その中で優勝したAC長野パルセイロは初戦から5試合とも選手の入れ替えを図りつつ勝利を重ね、バックアップメンバーの強化とともに5日間の連戦を経験しチームの層の厚さを見せ付けた。
 チームにはDFリーダー丸山良明(前ベガルタ仙台)、ダブルボランチを組む貞富信宏(前アルテ高崎)、土橋宏由樹(前松本山雅)、点取り屋の要田勇一(前ジェフユナイテッド市原・千葉)とセンターラインに人が揃い、チームとしての安定と強さで文句無しの優勝だった。


 準優勝に輝いたNECトーキンは準決勝での選手の頑張りが光った。特に準決勝松本山雅戦の後半で見せた各選手の気持ちの入ったプレーは特筆ものだ。
 中盤の千葉真也(前ソニー仙台)、小笠原正樹(前TDK SC)とそれまで潜在能力は評価されていたものの精神的にムラが多いと言われてきた選手を球際で強さを見せる選手に変えた佐藤健一監督、渡辺佳孝監督代行の手腕は大きく評価されるものだった。

 チームには千葉、小笠原、キャプテン大橋良隆(前ベガルタ仙台)といったパスセンスに優れる中盤の選手のほか、ボランチの高嶋啓佑(前仙台大)、左サイドバックの寺内雄貴(前FCプリメーロ)といった大会屈指の汗かき役がおり、大崩することの無い試合運びを見せた。
 また、FWには全国的に無名ながらもゴールへの強い気持ちを見せる佐藤幸大(前富士大)が控えており、ボールを奪ってから正確にパスを繋いで前線の佐藤がゴールを奪うパターンが出来ていた。強い気持ちを切らさずにチーム一丸で臨めば、地域決勝でも台風の目となるだろう。


 一方、準決勝でNECトーキンに敗れた松本山雅はこの準決勝戦が全てであったろう。

 開始4分に絶対的エース柿本倫明(前湘南ベルマーレ)が先制点を決めたものの、その後は相手にボールを支配された。後半12分、それまで相手DFを2人、3人と引きつけていた柿本をベンチに下げるとNECトーキンに余裕を与え、後半24分に失点。さらに後半ロスタイムにディフェンスリーダーの矢畑智裕(前図南SC)を2枚目の警告で失うと、2試合続けての延長戦で10人での戦いを強いられて延長後半ロスタイムに失点。
 天皇杯3回戦でJ2の湘南ベルマーレを破り意気上がる中、毎試合多くのサポーターがチームの後押しをした松本山雅。しかし、得点を柿本一人に依存せざるをえない状況での5連戦で息切れ。

 地域決勝への出場権は逃したものの、11月2日に天皇杯4回戦を控えており、まだ2008年シーズンが終わった訳ではない。チームを見捨てることなく声援を送り続ける地域リーグNo.1のサポーターとともに、松本のチームとして今後へ挑む。


 松本山雅を3位決定戦で破り、地域決勝への切符を手にしたのは宮崎県のホンダロック。
 勤務後の練習、全国的に知名度のある選手が少ないなどのハンディを抱えるものの、徹底したチームコンセプトの確立で全国社会人選手権3位となった。
 AC長野パルセイロの要田、NECトーキンの佐藤、松本山雅の柿本、他の上位チームには絶対的なエースが存在するが、ホンダロックにエースと呼べる存在はいない。しかし、選手一人一人が頭を使い動き出しと第3の動きで相手を翻弄した。DFラインの駆け引き、FWの動き出し、中盤のフォローetc…個々の能力の差を組織でカバーしての3位は、福田浩一監督をはじめクラブ全体の意思統一の高さを窺わせる。

 準決勝までの4試合でスターティングメンバーに変更が無いなど、選手層や戦術の幅という面では課題を残すものの、一つのことを突き詰めた末の強さは他の企業チームへ一つの指針を示している。




 地域決勝への敗者復活戦に注目が集まりがちな全社だが、この大会は全国社会人選手権大会。各地域リーグや都道府県リーグで戦う各チームの選手や選手の家族にとっては晴れの舞台となる。
 選手権へ出場する孫の応援に新潟まで駆けつけたおばあちゃん。初の全国デビューを果し、高揚感を覚える地域リーグ所属チームのサポーター。サッカー部の全国大会出場にバスツアーを繰り出す企業チーム。Jを目指すチームとの勝負に燃える選手達。全社には全国大会ならではのドラマもある。
 3回戦以降は平日に行われるため、2回戦の勝利後に月曜日の休暇申請に頭を抱える選手が現れるのも全社恒例の風景だ。

 また、毎年この大会を楽しみとし、全国から足を運ぶマイナーカテゴリーのサッカーを愛するファンがお互いに交流を深めるのも全社の風景の一つ。


 全社にはまた、翌年に開催される国体サッカー競技のリハーサル大会としての側面もある。
 多くの会場では地元スタッフが全国から訪れたファンを笑顔で迎え、最高のピッチコンディションで選手に提供した。シャトルバス時刻の告知などの問題点はあったものの、来年の国体本番へ向けてリハーサルはまずは成功裡に大会を終えた。

 全国から多数の人々を迎え、悲喜こもごもを織り成す全社は来季、千葉県で開催される。


 最終日のビックスワンの上空には白鳥が姿を現し、水田は刈り取りを終えて冬の準備を始めていた。全社が終わるといよいよ地域リーグも佳境。

 リーグカップの無いリーグではこの大会をもってシーズン終了となるチームもある。また、地域決勝へ出場するチームにとっては運命の1ヶ月を迎えることとなる。
 地域決勝へ向けて、地域リーグの各チーム、ファンは落ち着かない季節が始まる。

(文・北沢耕一)

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決勝戦では来年行われる「トキめき新潟国体」のマスコット「とっぴー」「きっぴー」も集合写真に参加。
全社の位置づけは地域決勝への敗者復活戦だけではない。(写真・北沢耕一)
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2008年10月12日

020【東海1部】「サッカー王国、ここにあり」(第43回東海社会人サッカーリーグ1部第14節2日目/10月4日/矢崎バレンテ vs. 静岡FC/藤枝市民グラウンド)

 JFL以下の社会人サッカーを追う人間には「一度は静岡のサッカーにはまる」という言葉がある。静岡と言えばサッカー王国として名高く、高校選手権では「全国制覇するよりも県代表になる方が難しい」とも言われる。
 しかし、こと1種のサッカーに限ればその言葉の意味を知ることは難しい。だが、4部に該当する東海1部に関しては、「サッカー王国」という名が納得出来るだけのものがある。

 東海社会人リーグ1部は「サッカー王国」静岡県の他、愛知県・岐阜県・三重県のチームが8チーム在籍している。現在東海1部で強豪チームと呼ばれるのは静岡FC、矢崎バレンテ、藤枝市役所の3チーム。第39回大会からの5シーズンでこの3チームが4位以内に入らなかったのは1回だけだ。昨季のベストイレブンは全員がこの3チームから選出されている。
 今季も第14節1日目終了時点で藤枝市役所の3位が決定しており、静岡FCと矢崎バレンテが1位と2位でこの日の直接対決を向かえていた。
 試合が始まる前の時点で静岡FCの勝点は30、得失点差は+28。一方の矢崎バレンテの勝点は28、得失点差は25。この試合の勝敗如何では順位が入れ替わる。
 しかし、東海リーグは変則日程を組んでいるため、静岡FCの方が残り試合が1試合多い。仮に矢崎バレンテが勝っても、10月12日に行われるMINDHOUS四日市との試合に静岡FCが勝てば逆転されてしまう。MINDHOUS四日市は7位と降格圏にいるため、矢崎バレンテは勝っても安心できない。

 さて、簡単に両チームの紹介をすると、静岡FCは静岡市(当時)からJリーグを目指し2001年に発足したクラブチーム。2002年に東海リーグへ昇格すると同時に優勝。以後毎年地域リーグ決勝大会へ出場するも、今だにJFLへの昇格を果せずにいる。
 一方の矢崎バレンテは静岡県島田市にある矢崎総業の企業チーム。1995年の東海リーグ昇格以降常時上位に顔を出している。昨年は全国社会人サッカー選手権で準優勝を果たし、注目を集めている。


 試合は秋晴れの中、藤枝市民グラウンドで行われた。FWの清野智秋(元札幌ほか)、FW下司隆士(前鳥栖)などの元Jリーガーを擁する静岡FCが序盤から試合を支配。前線でテクニックを見せる清野を中心に、前半4分、12分と立て続けにチャンスを作ると、前半17分にフリーキックを清野が頭で合わせて先制。
 対する矢崎バレンテは球際では互角の勝負をするものの、チーム全体としての動きは低調。1点リードされ、このままでは2位が決定してしまう矢崎バレンテ。しかし、そのプレーからは必死さが伝わってこなかった。
 これには地域リーグ決勝大会の出場枠にも関係がある。


 共に、JFLへの出場決定戦ではある地域リーグ決勝大会への進出を目指している両チーム。今までは9つある地域リーグの首位9チーム。そこに前回大会で決勝リーグへの進出地チームが出た地域の2位チーム計4チーム。
 その他に全国社会人サッカー選手権の優勝に順ずる成績を収めた1チームの合計14チームに出場権が与えられた。14チームが4つのグループに分かれて予選リーグを戦っていたため、3チームのグループと4チームのグループがあった。
 今季よりその出場権の選出方法が変わり、16チームに地域リーグ決勝大会への出場権が与えられるようになった。
 9つの地域リーグの首位チームと前回大会の決勝リーグ選出チームの合計13チーム(今回は12チーム)に変わりは無いが、その他の3チームだが、「大学連盟推薦」「JFA優遇措置」と「全国社会人サッカー選手権」の3位以内でもっとも上位の地域リーグ決勝大会出場権を獲得していない1チームに優先的に出場権が与えあれる。
 以上16チームに該当するチームが無い場合は、各地域に優先順位を与えて順位が高い地域の上位(2位もしくは3位)チームに出場権が与えられる。

 今季は「大学連盟推薦」と「JFA優遇措置」での出場権獲得チームが発表されていないため、優先順位が高い東海リーグの2位チームにも地域リーグ決勝大会への出場権が与えられる。
 そのため、矢崎バレンテはこの試合に負けて2位となっても地域リーグ決勝大会には出場出来る。


 前半は静岡FCペースのまま0-1で終了。
 後半、矢崎バレンテは前半とは打って変わって積極的なプレーを開始する。全体に前からプレッシャーをかけてボールを追い込み、攻めては思い切りのよいシュートで静岡FCゴールへ迫った。矢崎バレンテの攻勢に刺激されるように静岡FCもスピーディーな攻めを見せ、試合は攻守の切り替えの早い展開となる。
 後半21分、矢崎バレンテのFW井口大輔が静岡FCの裏を突いてゴール。矢崎バレンテは負傷した選手が治療のためピッチ外へ出ていたため、10名でのプレー中の得点だった。
 一人少ない中での得点にいき上がる矢崎バレンテ、一方の静岡FCは集中を欠いての失点で守備の不安を覗かせた。
 その後、お互いに攻め合うものの両GKのファインセーブもあり1-1で終了。この結果、静岡FCの優勝が決定した。


 順位がほぼ決定し、共に勝負へのモチベーションに欠ける中で行われたこの試合。プレスも比較的緩くお互いに怪我を恐れるようなプレーも見えたが、球際の一対一には見ごたえがあった。
 他の地域を見るとチームとしての組織でサッカーをするチームも多いが、東海リーグの場合は個の力でサッカーをするチームが多い。その中でも静岡FC、矢崎バレンテ、藤枝市役所の静岡勢は格別だ。

 選手は一対一では絶対に負けないという気持ちが見え、球際での勝負がピッチ上のあちこちで展開される。
 テクニックの高い選手同士が1個のボールをかけて勝負をする様は、他の地域はもとよりJでも中々お目にかかれない姿。個の力を封じるために組織を磨いてきた日本サッカーの中で、静岡の社会人サッカーは個の力で勝負する選手を生かすという特別な個性がある。
 それはチームだけでなく、観客や審判にも言える。

 観客も一対一での勝負に勝つことで歓声がおこる。審判も接触プレーは勝負の中の一部と認識しているかのように、プレーを流すことが多い。選手が倒れても多少のことならば笛は吹かれない。自分から倒れにいくような選手は見向きもなれないのが、東海リーグの面白さだ。
 他の地域であれば痛がってみせれば吹かれる場面でも、東海リーグならば勝負に負けたと見なされる。テクニックを披露するサッカーは、他の地域のサッカーを観た目にはとても新鮮で魅力的に映る。


 球際の勝負だけでなく、何げないプレーの中でもピンチの芽をさり気なく摘み取るプレーも随所に見られ、そのたびに観客が唸る。選手、観客、審判の全員がサッカーを知っている静岡は看板どおりの「サッカー王国」だ。

(文・北沢耕一)

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リーグ最終戦を向えた矢崎バレンテの健闘に拍手を送るファン。会社の先輩や家族がチームを支える。(写真・北沢耕一)
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