2008年09月17日

008【天皇杯】「変わらないこと。変わったこと。」(第88回天皇杯全日本サッカー選手権大会/9月14日/福島ユナイテッドFC vs. 国士舘大学/Jヴィレッジスタジアム)

 私は昨年の天皇杯1回戦をJヴィレッジで観戦した。その時の試合は「ビアンコーネ福島 vs. V・ファーレン長崎」の1戦だった。あらから1年が経ち、私はまたJヴィレッジへと向かった。今回の試合は「福島ユナイテッドFC vs. 国士舘大学」

 天皇杯の都道府県代表で常連と呼べるほどの出場数を誇るチームは各都道府県の顔と目され、そのチームの実力が都道府県の実力と対比される。
 福島県の場合、顔となるチームが定まらない。ここ10年間を見るだけでも『 FCプリメーロ → FCプリメーロ → FCプリメーロ → 福島大学 → ノーザンピークス郡山 → 湯本高校 → FCプリメーロ → FCプリメーロ → ビアンコーネ福島 → 福島ユナイテッドFC 』と5チーム(※ビアンコーネ福島はノーザンピークス郡山からの名称変更で同一チーム)が代表になる群雄割拠の様相を呈している。
 だが、過去において顔となるチームが無かった訳ではない。以前は旧JFLに所属し、Jを目指していた福島FCが県の顔と言えた。しかし、福島FCは1997年12月に解散。福島FCの流れを汲むFCプリメーロが一時期の勢いを失っている今、県の顔と言えるようなクラブは存在していない。
 その空白を突くように大学や2種のチームが県代表となり、ここ2年間はJを目指すことを表明した社会人チームが県代表として天皇杯へ出場している。

 昨年、県代表となったビアンコーネ福島と今年の県代表の福島ユナイテッドFCは共にJを目指すチームであり、大会出場時に東北2部南に所属しているなど、良く似た外見を持つクラブである。
 天皇杯のスタンドにおいてもっとも目立つ類似点は、スクール生の動員だ。昨年のビアンコーネ福島は応援ツアーを組み、傘下のサッカースクールの子どもとその保護者が多数応援に駆けつけ声援を送っていた。福島ユナイテッドFCも同じく応援ツアーを組み、サッカースクールの子どもが多数訪れていた。クラブこそ違えども、その光景は同じものだった。

 福島県代表として天皇杯へ出場した両チーム。昨年のビアンコーネ福島は同じくJを目指すV・ファーレン長崎を相手に0−1と敗戦した。今年の福島ユナイテッドFCは東京都予選で関東1部優勝のFC町田ゼルビア、現時点でJFL4位の横河武蔵野FCを相次いで破った国士舘大学と戦う。福島ユナイテッドFCは「Jを目指す」という看板に応えられる活躍を見せられるのか?


 試合は前半、持ち前のテクニックでボールを保持する国士舘大学に対し、福島ユナイテッドFCはプレーイングマネージャーのDF時崎悠(元水戸)を中心としたタフな守備でゴールを割らせず、0−0で折り返し。
 後半早々、福島ユナイテッドFCが積極的に前へ出るが、国士舘大学は冷静に大人な対処をして隙を窺う。すると後半12分、国士舘大学は右サイドからのクロスを10番武岡が落とし、走りこんだ8番柏が先制。更にピッチを広く使う国士舘大学は後半19分、26分と続けざまに武岡が追加点を奪うと、後半28分にはPKを得る。これは外したものの、0−3として試合を優位に進める国士舘大学。
 その後、余裕からかペースを落とした相手に対し、福島ユナイテッドFCは後半32分にFKから時崎悠が1点を返す。しかし、後半39分に国士舘大学の武岡がハットトリックとなる3点目を決め、1−4で国士舘大学が勝利。
 若い選手達の巧さが噛み合った国士舘大学に対し、多くの元Jリーガーを擁している福島ユナイテッドFCはプレーの荒さばかりが目に付いた。
 試合は「Jを目指すチームと大学チームの対戦」とはならず、「福島県代表と東京都代表による対戦」であり、地域間の実力差がそのまま表れた内容だった。

 「Jを目指す」という言葉を発しチーム強化を図る。福島ユナイテッドFCとビアンコーネ福島は同じ方法をとり、県代表としてJヴィレッジへ駒を進めた。そして、共に1回戦で姿を消した。ビアンコーネ福島は昨年末、早急なJ入りを目指すという看板を下ろした。無理な強化がたたった末に資金繰りが悪化したとも言われる。
 同じようにJを目指してチーム強化に力を入れる福島ユナイテッドFCは、来季の東北1部昇格が確実視されている。しかし、レベル的に全国と差があるのは確かだ。チームが福島の顔としてJを目指すには、超えなければならない問題は多い。


 県代表は同じように1回戦で姿を消したが、Jヴィレッジには昨年と違う新たな試みがあった。それはハーフタイムに行われたフラダンスショー。隣のいわき市の新たな目玉を取り入れ、観客を楽しませた。
 地元学生によるもぎり。飲食売店が無く、すぐに売り切れとなる最寄の自動販売機。会場運営面は相変わらずだったが、昨年と今年は同じ年ではない。

(文・北沢耕一)

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映画にもなった「フラガール」によるフラダンスショーは、地元ならではの面白い試みだ。(写真・北沢耕一)
posted by 3rdFlightFootball at 13:49 | TrackBack(0) | 天皇杯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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