2010年06月25日

036【ワールドカップ】「本田の1トップはキャプテン翼文化の最高到達点」(2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会Group E/6月24日/デンマーク代表 vs. 日本代表/ロイヤル・バフォケン・スタジアム)

 2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会は、日本代表がGroup E最終戦でデンマーク代表に勝利、勝ち点6としてRound of 16への進出を決定した。“アウエー”のワールドカップで1勝したのが初めてなら、決勝トーナメントに進んだのも初めて。これをブレイクスルーと言わずして、なんと言おう?

 今大会における欧州勢の不振をみるにつけ、「なんだ、サッカー強国と言ったって、“ホーム”開催のワールドカップに強いだけじゃないか」と言いたくもなるのだが、その分析は他に譲るとして、ここでは試合直後のtweet(http://twilog.org/TokyoWasshoi)をもとに、日本のストロングポイントがなんなのかを考えたいと思う。


1)国民性と個の力

http://twitter.com/TokyoWasshoi/status/16960398829
雰囲気的には、'99ワールドユース〜'00シドニー五輪のチームに近くなってきたと思う。どこまで行くか楽しみだ #2010wc
posted at 05:47:30

 今回のワールドカップと同じくアフリカ大陸で戦った'99年のU-20日本代表が肉体的に頑健だったかと言われると、そういうわけではない。A代表と年代別代表を同列に語ることはそもそも無理があるし、メンバーの資質も違えば戦術も違う。しかしあのチームと今回の2010日本代表には共通する点がある。
 それはチーム全体として相手国の民族的資質を同じ面で凌駕しているわけではないのに、日本人の特徴を生かして勝負に勝っているところだ。

 '99ナイジェリアのとき、ブラックアフリカンのカメルーンには1点差で負けた。彼らの身体能力や独特のリズムに抗い切れたわけではない。決勝で敗れたスペインや、素人GKがゴールマウスを守るはめに陥ったポルトガルの巧さにも苦戦した。

 しかし照明の消えたイングランド戦では石川竜也の直接フリーキックによる先制点が大きくものを言って2-0で勝ち、決勝トーナメント進出を決めた。デンマーク戦と同様、セットプレーの巧みさが欧州撃破とRound of 16進出をもたらしたのだ。

 北欧の大きさ、パワー。南欧や南米の個人技。アフリカのバネ。それらを上回る力が日本にあったわけではない。しかし「ある程度の巧さ」と「戦術を遂行する真面目さ」、セットプレー、それにいくばくかの個人的資質、まとまりといった得意な面を押し出して決勝戦まで進み、7試合を戦った。

 とはいえ、ごくごく限定的には、強い個の力が効いているのも事実。絶対数では欧州や南米に劣るのだろうが、各年代にひとりは、個々の「パラメータ」で判断して「スペシャル」な選手が出現するのが、日本のサッカー界だ。

 '99年は、個人技での突破は、もっぱら本山雅志に委ねられていた。今回の日本代表では松井大輔がそのポジションに該当する。

 国力競争なら日本は欧州や南米のサッカー強国に、質量で劣るのかもしれない。しかし代表チームの試合に先発出場できるのは等しく11人だけ。少なくとも代表同士の試合を壊さない程度の選手は揃えることができる。

 まだ日本の総体的なレベルが低かった1968年のメキシコオリンピック日本代表においても、左ウイングのスピードスター、杉山隆一の突破力が得点の源泉になっていた。

 田中マルクス闘莉王の高さ。長友佑都のスピードとスタミナ、強さ。松井大輔の個人技。遠藤保仁と本田圭佑のフリーキック、キープ力。そこそこの巧さや勤勉性といった国民としての特徴に加える個の力が、'68年は杉山隆一と釜本邦茂、'99年は小野伸二と本山雅志だけだったとすれば、'10年は日本基準を超えた個がより多くなっていることになる。

 フィジカルエリートの大半をプロ野球にさらわれている状況でもこれだけの選手を揃えられるのはありがたい。
 育成に失敗したとは言われつつも、裾野を広げてきた効果が現れはじめているのかもしれない。


2)ワーワーサッカー

http://twitter.com/TokyoWasshoi/status/16965464205
現状の日本にはワーワーが最適という見方を裏付けるような内容だったな > デンマーク戦。セットプレーと1トップに入ったMFのアシストによる得点 #2010wc
posted at 07:17:30

 問題は選手を動かすための戦術だ。今年に入ってから代表が迷走したのは、コンディション不良もあることながら、戦術のコンセプトが定まらなかったことが原因ではないかと思う。本大会登録メンバーを決め、韓国戦を戦ったあとの準備期間で戦い方が大きく変わったが、この変化が冴えていた。

 アーセン・ベンゲル監督が名古屋グランパスエイト(現在は名古屋グランパス)の監督に就任、めきめきと強くなると「タスクをシンプルにしたのがよかった」という評価の声が上がった。
 自分の頭で考え、決断する力が弱いか否かは別にして、与えられた命令を忠実にこなすことにかけては、日本人は秀でていると言っていい。しばしば教科書的と揶揄される所以でもあるが、それが特徴だ。
 ならばやることがシンプルに整理されていれば、よりその特徴は強固になる。

 今回の日本代表の場合、立ち返るべき原点が明確になったのが大きい。言わずもがなだが、自陣にリトリートしてブロックを築く守備が、このチームの基本になっている。相手ボールになったらその守り方を実行すればよいから、迷いがない。

 自陣に引くからと言って、守備専門というわけではない。あくまでもボールを奪う位置の基準が後ろ目で、守備の仕方がブロックを築くことが基本になっているというだけだ。可能なら全体を押し上げるし、高めの位置でボールを奪うこともある。
 もちろん攻めやパスワークを放棄したわけではないから、隙さえあれば「日本的」なチャンスメークをする。
 もしタコツボのように守っているだけという分析があったとすれば、それは甚だしいまちがいだろう。

 本田の1トップはキャプテン翼文化の最高到達点だ。点を取れる強いFWが不足したおかげで、DFが守、MFがパスを出してFWを決めるという「分業サッカー」を日本代表が実行することはきわめて難しい。
 しかしそれならそれで、中盤をもてはやしたおかげで大量に発生した技ありMFの力を素直に生かせばいい。キープ力の優れたMFを1トップに置いてポストプレーを期待するのは、合理的な判断だ。

 優秀なキッカーは優秀なストライカーよりも遥かに多い。FWが点を取れないなら、集団でワーワー言いながらボールを半スクラム状態で前線へ運び、ファウルゲッターがフリーキックを獲得して、ヤットや本田△に蹴らせればよい。
 岡田ジャパンはリザーブドッグス的オールコートプレスの試行錯誤を経て、ワーワーサッカーの境地に到達したのである。

 思えばトルシエジャパンの2トップは点取り屋ではなかった。鈴木隆行はファウルゲッターだったし、柳沢敦はアシスト王だった。
 FWのポジションにストライカーの機能を求めない。これは言い換えれば、すべてのポジションの選手にストライカーとしての責任を分散するということでもある。

 得点の責任はFWだけが負うものではないし、失点の責任はDFだけが負うものではない。ボールの取り方、失い方が悪ければ、それが最終的に得点や失点の原因になる。
 トータルフットボール化した現代サッカーでは、そう考えるべきなのではないか。

 たまさか決定機が巡ってきた場面でそこに居合わせた選手がフィニッシャーになるのであって、あらかじめフィニッシャーが必ずシュートを打つと決まっているわけではない。
 オランダ戦開始直後の長友のように、もし打つべき場面に遭遇すれば、どのポジションの選手がシュートを打ってもよい。

 グループステージ4得点中、FWを本来のポジションとする選手が決めたゴールは岡崎の1点だけ。それに何か問題があるだろうか? キャプテン翼文化の上に成り立つ現在の選手層からすれば、MFが4点中3点を取るという結果は、むしろ成功と呼べるのではないだろうか。


(文・後藤勝)
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2010年02月22日

035【東京カップ】「社会人サッカーの挟持」(東京カップ1次戦Bブロック準決勝/2月14日/CERVEZA FC東京 vs. 東京ベイFC/あきる野市民運動広場)

 今年も東京カップの季節がやってきた。「天皇杯予選のさらに予選」であり、「全社関東予選のさらに予選」である東京カップ、その1次戦は、冬のもっとも寒い時期におこなわれる。
 秋春制反対、などと叫んでも仕方がない。3月開催の2次戦から逆算すれば、どうしたってこの1月末から2月末までの1ヵ月に1次戦を消化するしかないのだから。

 サッカーを愛好する大多数の成人男性は、本業をまっとうしながら、男子第1種登録をし、週末に全国社会人サッカー連盟主催の大会に出場する。彼らがサッカーのために自由にできる活動日数は、基本的には年間50日+αしかない。いくらJリーグをめざすチームや選手が増えようが、社会人の都合を考えずして、サッカーカレンダーを作ることなどできない。地域決勝にしても、あれはそもそもJリーグへの関門などではなく、単に全国に散らばった社会人が集う大会だ。少しでも勤労時間に差し支えないように配慮した結果が、現行の金土日×2ラウンド制なのだ。開催間隔を空け、キックオフ時刻を昼以降にしたなら、試合の消化によけいな時間がかかってしまう。社会人にそんな負荷をかけていいはずがない。

 ことしの東京カップは、最強レベルの5チームが2次戦シード。1次戦では準々決勝シード、2回戦シード、1回戦から出場の3つのレベルに分かれる。天皇杯の本選同様に不平等な組み分けをしているわけだ。

 もし全チームを横一線にならし、フラットなトーナメント表に整形したとしたらどうなるだろう? 試合数は均等になり、暖かい時期に日程をずらせるかもしれない。しかし実力差のあるチーム同士が初戦でぶつかり、10-0のスコアが頻発するようなら、コンペティションとして大きな問題がある。現に今大会では1次戦の準々決勝まで進んでいながら、東京ベイFCが目黒FCを10-0の大差で下している。実力が下位のチームには、それ相応に活躍できる機会を与えるべきだ。

 いびつなトーナメント表が社会人チームに与えるのは、リーグ戦開幕前に自分たちの実力を測る機会だけではない。年間50週しかない活動機会のうちの1週間から1ヵ月を、充実したものにしないでどうするのか。競技としての満足度は、できるだけ欠かさないほうがいい。
 1次戦の1回戦や2回戦を接戦で勝ち抜け、準々決勝や準決勝で強豪に敗れたなら、身の丈にあった満足とあきらめが得られるだろう。

 みんながみんなプロになるわけではない。ある一定の条件のなかでどれだけ磨きをかけられるか、そこに注力するアマチュアプレイヤーが、それなりに手応えのあるサッカー人生を送れるようでないと、この国のサッカー文化が豊かになったとはいえないと思う。

 一年ぶりの更新のせいか、すっかり前置きが長くなった。1次戦Bブロック準々決勝シードの東京ベイFCは、前述の通り、目黒FCとの「目黒川ダービー」を10-0の大差で制して準決勝へと勝ち上がってきた。前年に初戦の準々決勝で敗れた鶴巻SCは別ブロック、しかも1回戦負けとあって、ベイの視界にはまったく入ってこない。そのせいか、余裕の勝ち上がりだった。

 すっかり1部の上位に定着した東京ベイFC(昨季は14チーム中4位)に対し、CERVEZA FC東京は2部の2ブロック優勝を果たして今季1部に戻ってきた(2部は3ブロックに分かれ、各ブロックの優勝チームが1部に自動昇格)ばかり。準々決勝シードとはいえ、昨季2部3ブロック3位のFC.OZZAを2-1の接戦で下しての準決勝進出である。一見、ベイと同格とはいえないように見える。

 下部組織を整備、元JリーガーやJFL選手を多数擁し、JFLを狙うと公言するベイと、純粋な社会人クラブチームであるCERVEZAとでは、たしかに土俵がちがうと言っていいだろう。しかし純粋な練習機会の多さだけを比較すれば五十歩百歩だ。CERVEZAにチャンスがないわけではない。
 はたして、試合は好ゲームとなった。

 中学校の校庭とつながったあきる野のクレーコートはまさに校庭にすぎず、前夜の雨でぬかるんでいたが、それに文句を言う選手は、どちらのチームにも、ひとりもいない。第一試合が終わった後、凸凹になった地面のうえで、いかにいいプレーをするか。それだけを考えていた。
 試合間隔の詰まった1次戦は、35分ハーフの70分制でおこなわれる(2次戦は90分制)。この短い時間をどう戦いきるか。互いにシステムは中盤がフラットな4-4-2。都リーグスタンダードなフォーメーション同士、真っ向からぶつかった。
 カテゴリーが下といえど、サッカーをなめた様子は微塵もない。シャツからソックスまでが真っ赤に染まったCERVEZAと、全身青のベイが激しく体をぶつけあう光景は、リバプール対チェルシーを思い起こさせた。

 コートのコンディションによるものか、基本的には蹴り合いとなった。ファーストハーフの35分を優勢に運んだのはCERVEZAだ。ロングボールを蹴り、スペースの裏へ走り、コーナーキック、フリーキック、ロングスローのチャンスを駆使してベイのゴールに迫った。
 いっぽうのベイはなかなかラインを押し上げることができない。前線で起点となっていた16番のFWイゴールが2、10、6番の3人に囲まれてボールを奪われるなど、手詰まり感があり、逆にCERVEZAの堅実な守備が光った。少々荒れ気味ではあったが、それだけ真剣なフィジカルコンタクトが実践されていたのだろう。

 ハーフタイムを挟み、今度はベイがターボスイッチを入れる。最初の15分は4本のシュートを放ったベイがペースを取り戻した。だが、その後は一進一退の攻防がつづく。ほぼ1分おきに双方のチームに決定機とセットプレーがあり、メモ帳がファーストハーフよりも早いペースで埋まっていく。セカンドハーフの25分には、ベイは切り札の7番MFホルヘ(元福岡ブルックス)を投入。ファーストタッチでピンポイントキラーパスを放ち、以後セットプレーを仕切ってチャンスを作り続けるが、それでもゴールは生まれない。
 終盤まで0-0の状態がつづき、誰もがPK戦突入かと思ったセカンドハーフの34分に事件は起きた。

 ベイの前線にロングボールが上がる。25番のFWがCERVEZAのDFに競り勝つと、それを信じて後方から猛然と走り込んできた、途中出場のFW内山がボールを拾う。相手DFふたりに挟まれながら無理やり打ったシュートは、DFの足に当たりつつコースを変え、GKが重心を落とした左とは逆の右へと転がっていく。
「コロコロコロ」という擬音が聴こえてきそうな超スローのゴロなのに、GKは振り返ることができず、DFも間に合わない。ボールは冗談のようにゴールマウスへと転がった。
「決めたらめちゃくちゃオイシイな、と思っていました。決めたあとのことだけ? 考えていました。(FWが)競り勝つと思っていたので、信じて走るだけでした」(内山)

 爆発的な歓喜のあと、2分のロスタイム。CERVEZAは猛然と反撃するが、ミドルシュートの狙いは予期されて防がれる。この圧力をしのぎきったベイが1-0でCERVEZAを下し、決勝進出を決めた。
 敗れはしたが、CERVEZAにとっては1部でやれる手応えをつかんだ一戦だったのではないだろうか。
 ベイは3月14日、2次戦進出をかけ、駒沢陸上競技場で東京消防庁と対戦する。

◆CERVEZA FC東京・田中剛監督の談話

──ゲームプランは。

「ことし1部に復帰してはじめての年。ベイさんはリーグ戦が始まってすぐに当たるし、最近力をつけているチームなので、力試しのつもりで試合に臨みました。
 90分なり70分をどう集中してマネージしていけるかが毎回テーマになります。ウチみたいに運動量の少ないチームは押し込まれることが多いし、そういうときにバランスを崩さないで失点せずにいけるか。当然フィニッシュは、フォワードとかアタッカーには意識するように言っていたんですけど、思い通りにはいかなかったですね」

──ロングボールが多かったのはクレーコートのコンディションを考えてのことですか?

「そうですね。きょうは足下が悪く、回してもしょうがないので、スペースにロングボールという指示をしました。あとはセットとスローインが狙い目だったんですけど、うまくいきませんでしたね」

──守備がいいなと思ったんですけど。

「毎年なぜかディフェンスでいい選手が入ってくる。そういう個人の技術に助けられている部分もあります。サッカーの経験が長い選手たちなので、ディフェンスという“受ける”プレーは上手にできますね。守備をしっかり、失点をできるだけ少なくするというのは、いつもテーマに掲げています」

──練習時間は平日にとれてますか。

「ないです、ないです(苦笑)。ウチは完璧にサラリーマンチームなので、木曜に練習を入れてはいるんですけど、7〜8人、よくて12〜13人が来ればいいほうです。あとはこの日曜日だけ。公式戦がないときは練習試合を入れていますけど。週末は必ずやっているので、年間50週は活動しています」

──今シーズンにかける意気込みを。

「とにかく、チームとしてはベスト4。今年、関東大会には4チームが出られるという話なので、ちょっとおこがましいですけれども、目標としてはそこを。スタッフとしては、1部にかぎらず2部もそうですけれども、レベルがどんどん上がっているので、しっかり1部のグレードで全試合を戦えて、それなりのポジションで終えて降格はしない、そこがいちばん大事かなと思っています。いい選手はいるので、できれば組織的な戦術やフィジカルのレベルを上げてひと皮剥けたいと思っています」

──東京23も力を入れていますし、都リーグ1部、2部は大変なことになっていますね。

「なによりも、都リーグの1部や2部の上のほうは、こういうクラブチーム(CERVEZAのような)は少なくて、ベイさんもそうだけどすごく運営のしっかりしているチームが多い。ぼくらと世界がちがうんですけど(笑)、なんというんだろうな、東京都社会人リーグ、と“社会人”の名がついているリーグだけに、ぼくらも社会人ですから、その中では存在感のあるチームにしていきたいと思っています」

 社会人には社会人なりに、戦うべき場と理由がある。そのことをあらためて認識させられた、激しく厳しい一戦だった。


(文・後藤勝)

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2009年02月23日

034【東京カップ】「出港、即座礁(byTBFCオーナー)」(東京カップEブロック準々決勝/2月22日/鶴牧SC vs. 東京ベイFC/旧秋川高校)

 次はフエンテ、決勝で早稲田ユナイテッドだろう──。そんな皮算用が東京ベイFC「クルー(スタッフにしてファン。クラブと運命を共にする者)」たちの脳裏に渦巻いていた。甘かった。フエンテですら、10人になった相手に3点差を追いついた末のPK戦による辛勝である。カップ戦は、サッカーは、そんなに甘いもんじゃない。
 今シーズンの大事な緒戦。しかしシードの東京ベイFCにとっては緒戦でも、鶴牧SCにとってはそうではない。彼らは11日前に同じ旧秋川高校のグラウンドで東京カップEブロックの二回戦をこなしている。それに鶴牧SCは2部の、そして多摩の強豪である。カテゴリーはひとつ下でも、決して弱者ではない。
 ひとことでいえば油断があった。

 前半の鶴牧SCはひどい出来だった。パスはつながらずラインをわり、競り負ける。ディフェンスがあたふたする。ぬかるんだピッチを計算に入れて球離れを早くした東京ベイFCはロングボールでペースをつかむ。12分と18分にゴールを決めて早々と2-0でリード。さすがにそれまで慎重だった鶴牧SCも攻めに転じ、幾度となく決定機を作るがゴールを割れず。
 試合はメンバー交代のないまま後半へ。大会規定で35分ハーフということもあってか、ハーフタイムも若干駆け足だった。20分間はクロスとセットプレーで東京ベイFCに決定機が多かったが、23分、鶴牧SCが左サイドから攻め、つまり東京ベイFCの右サイドを攻略して1点を返す。ここからは鶴牧が押せ押せだった。27分に元佐川急便東京SCの尾林陽介が途中交替で出場。中盤のセンターで、やはり元佐川東京の戸田有悟とコンビを組んだ。しかし右サイドの決壊現象は解消されなかった。それまで中盤のセンターにいた沖本惇壮が右サイドへ。サイドバック鈴木洵也と右の布陣を形成したが、結局このポジションチェンジだけでは鶴牧SCの勢いを受け止め切れなかったことになるのだろう。
 28分に鶴牧SCが再び左サイドからのゴールで追いつき、ペースを握ったままタイムアップ。余裕綽々の鶴牧SCは一度もPKを外さず、逆に顔色を失った東京ベイFCはふたりが外し、勝負は決した。
 元年代別日本代表、Jリーガー、JFLプレーヤーを抱え、関東リーグ昇格を狙う。そんな名の知れたチームが、東京カップの緒戦で敗れた。天皇杯と同時に全社への道も断たれた。赤っ恥もいいところである。

 しかしこれがサッカーだ。ぬかるんだピッチ、不安定なジャッジ。その条件は相手にとっても同じことだ。でも気にしすぎたのはどちらだったか。
 35分ハーフ。後半20分まで2-0でリードしていたら、ゲームを閉じにかかるのはまっとうな判断だ。だが閉じきれず、カップ戦で格上と戦う機会を失った。リーグ戦までの期間をどう過ごすのか。実戦経験は確実に少なくなる。
「出港、即座礁」
 敗戦後、クルーのひとり、通称「オーナー」が呟いた。座礁した船を、なんとかして沖合いに出さなくてはならない。クラブ史上初の挫折。損失はちいさくない。

 プライドを取り戻すには、リーグ戦で結果を残すしかない。

(文・後藤勝)
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2009年02月05日

033【学生】「流通経済大学プロクラブ入団選手囲み取材」(流通経済大学サッカー部員Jリーグ及びKリーグ入団報告会/01月31日/東京都内のホテル)

先日につづき、囲み取材のコメントを掲載する。

池田圭(サガン鳥栖)

──鳥栖は藤田祥史がいなくなってFWが弱体化したといわれる。その評価への反発はあるか。

「背番号が25番なので藤田さんのことはよく話題に上ります。周囲の期待もあると思いますが、しっかり結果を出せば、そういう声もなくなっていくのかな、と。自分は自分らしくありたいという思いもあります。結果を残す選手になることが大切です」

──点数が求められる。

「そうですね、点を取ってナンボなので、FWは。外国人も出場するので、出た時間の長さに関係なく点を取る選手になりたい」

──自分のポリシーとして得点にこだわる?

「出た試合では必ず1点以上を取る。いままで以上に結果を求められる環境だし、ポジションであると思うので」

──鳥栖はFWにも守備のタスクがあってたいへんですね。

「いまも合宿でやっているんですけど、ファーストディフェンダーあっての鳥栖のプレースタイルなので、絶対的に運動量が必要であり、それができるだけの体づくりが大切です。その作業は地味だと思いますが、地味なことがあとで自分に跳ね返ってくるので。ちいさな積み重ねを、ひとつひとつ大切にしていかないといけないと思います」

──結果を残さないといけない。でもそれができるように、焦らず、段階を踏んで強化することが大事?

「ぼくはそういうふうに考えています。すぐ出られるんじゃないかと周りはみているかもしれませんが、出るための準備が大切になってくると思います。いまの状態ですぐ年間20何点も取れると思っていませんし、20点以上を取るために段階をおって準備していくことを心がけているので。鳥栖というチームはそれができると感じています。地味な作業ですけど、繰り返していきたいです」


山下訓広、西弘則(ロアッソ熊本)

──これまでの大学四年間で対戦してきた日本代表やJ1のクラブチームに比べると、J2のロアッソ熊本は若干戦力が落ちると思いますが、しかしそう甘くはないはず。どうしたらレギュラーの座をつかめると思いますか?

山下「熊本はJ2の下位ということで、出られる可能性が高いという見方もあるかもしれませんが、実際に入ったらそんなことはなくて。個人個人で考え方がしっかりしているし、すごく勉強になる部分がある。カンタンに出られるかと言ったら、そんな話では全然ない。まだまだと思っているので、努力しないといけない。ほんとう、自分はヘディングが武器で、そこだけは負けない自信があるので、前面に出したいです。足りない部分を学べる選手はたくさんいるので。いろいろ話を聞かせてもらって、経験を急襲して自分を高めていけたらな、と思います」
西「ここ数日間、熊本の練習に参加して思ったんですが、みんな走れますね。それにやっぱり巧い。でも自分の特徴であるドリブルでチームにアクセントをつけられると思うんです。まずは試合に出られるように、先輩方のいいところを学びたい」

──藤田俊哉選手とか、30歳以上のベテランがいますから。

山下「そうですね、年齢層が全体的に若くなったところに藤田さんが入ってきましたから。もう別世界の人というくらいに経験地の差があるので、まあ、まだいっしょにプレーしていないですけど、何が学べるのかすごく楽しみです」
西「やっぱりベテランの選手からは学ぶことがたくさんありますから。吸収していければいいと思います」

──ところでお住まいは。

西「ぼくは実家がKKウイングに近いんですよ」

──じゃあ、順応性はバッチリですね。

西「うまくやっていけると思います」

──山下選手は西選手と行動をいっしょに?

山下「はい、自分はまだ車を持っていないので。お迎えをしてもらっています」


宮崎智彦(鹿島アントラーズ)

──いまはそうでもないと思うんですが、かつては入団一年目の選手を公式戦には出さないという不文律が鹿島アントラーズにはありました。換言すれば、じっくりと鍛えてくれるということでもあるのですが、焦らずに力を伸ばしたいという気持ちもありますか?

「一年目が勝負と言いますけど、何年か経過して、はじめて出てくる自分のよさもあると思います。いられればいられるだけ、鹿島で長い間プレーしたいと思っています」

──代表は視野に?

「そうですね、やっぱりまずはチームで結果を残して。そのうえで代表に選ばれると思うので。まずはチームで活躍することを前提にがんばります」

(文・後藤勝)
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2009年02月04日

032【学生】「流通経済大学サッカー部員コメント」(流通経済大学サッカー部員Jリーグ及びKリーグ入団報告会/01月31日/東京都内のホテル)

1月31日に行われた流通経済大学サッカー部のプロクラブ入団報告会見の続報をお届けする。
報告会見の壇上には流通経済大学の小池田冨男学長、同サッカー部の中野雄二監督と、Jクラブに入団する11人が並んだ。概略説明と選手からの決意表明ののち質疑応答と撮影が行われ、会見は30分で終了。その後、各選手に対する囲み取材が行われた。私から選手全員への質問は「今冬の厳しい移籍市場において獲得した大卒選手ということで、各クラブともみなさんを即戦力として期待していると思うが、その期待にどう応えようというつもりなのか」。回答は以下のとおりである。

MF 三門雄大
「大学を卒業してJリーグへ行くからには、本当に即戦力として考えられていると思う。Jリーグのフィジカルの強さ、スピードの速さに対応できるよう、足りない部分を補わないといけない。高卒とちがってリーダーシップをとれる選手が大卒には多いと思う。どんどん声を出してチームを引っ張っていけば結果を残せると思います」
DF 染谷悠太
「厳しい世界に身を投じているのはハナからわかっていることなので、そこで生き残っていくために日々の過ごし方が大切だと思う。人の倍努力して、足りないところを補いたい。結果を残してチームの顔になれば、おのずと上に上がっていけると思う。いつも努力を念頭に置いてやっていきます」
MF 平木良樹
「そんなにプレッシャーは感じていないんですが、もちろん厳しい世界であることは確かです。常に張り詰めた状態だと、肉体的にも精神的にも影響があると思うので、いち早くチームに溶け込むことが大切です。そして応援していただいているファン、サポーターのみなさんに感動を与えられるサッカーをできるように、心がけたいです」
DF 宮崎智彦
「私生活からトレーニングまで、一日一日を大切にやっていきたいと思います」
MF 楠瀬章仁
「サッカーの面では極端な実力差を感じないと思う。サッカーのときはしっかり百%のプレーを見せてアピールするとして、やはり私生活が大事です。しっかりサッカーに集中できるような生活をしていきたいと思います」
DF 山下訓広
「即戦力と言われたからといって、すぐに試合に出られるとは考えていません。自分のストロングポイントであるヘディングを全面に出して、ここだけは負けないという気持ちでプレーしたい。弱いところプレーをするうちに少しずつ補えていけたらと思います」
DF 加藤広樹
「一日一日の生活を大事にしたい。サッカーも私生活も、両面においてしっかりできれば、よいほうに転がると思います」
DF 保崎淳
「日々、練習から百%のプレーをしていれば、必ずチャンスは来ると思う。そのときにいつものプレーができればポジションをつかめる。チャンスを逃がさないよう、厳しくやっていけば問題ないと思います」
FW 池田圭
「やっぱり、プロの世界では結果を出すことがいちばん大切だと思います。短い時間でしっかり結果を出すためにも、日々の練習、ひとつひとつの練習や私生活の取り組みに気をつけ、考えていきたい」
MF 西弘則
「プロという厳しい世界に入ったわけですが、やはり自分は自分のプレーをするだけです。長所を伸ばし、認めてもらえるように努力したいと思います」
GK 椎名一馬
「どんなチームでも苦しいときやたいへんなときがある。そういうときに信頼できる選手じゃないと、ゴールキーパーはダメだと思います。しっかり盛り上げて、苦しい状況を乗り越えられるよう、自分が先頭に立ってやっていきたいと思います」

明日は囲み取材の様子ほかをアップ予定です。

(文・後藤勝)
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2009年02月02日

031【学生】「流通経済大学プロクラブ入団選手リスト」(流通経済大学サッカー部員Jリーグ及びKリーグ入団報告会/01月31日/東京都内のホテル)

去る1月31日、流通経済大学サッカー部員13名の、プロサッカークラブへの入団報告会見が行われた。Jリーグクラブ11名、Kリーグクラブ2名。一年生の林相協を除く12名は四年生。ほか、JFLでセミプロまたは社員契約に成功した選手が5名。ここではJ、Kへの進路を選択した13名のリストを掲載する。後日選手コメントなどレポートを掲載予定。

MF 三門雄大(みかどゆうた)/174cm68kg/1986年12月26日生まれ/前所属:流通経済大学付属柏高校/アルビレックス新潟入団
DF 染谷悠太(そめやゆうた)/183cm71kg/1986年9月30日生まれ/前所属:FC東京U-18/京都サンガF.C.入団
MF 平木良樹(ひらきよしき)/173cm67kg/1986年10月17日生まれ/前所属:流通経済大学付属柏高校/名古屋グランパス入団
DF 宮崎智彦(みやざきともひこ)/170cm65kg/1986年11月21日生まれ/前所属:FC東京U-18/鹿島アントラーズ入団
MF 楠瀬章仁(くすのせあきひと)/171cm61kg/1986年12月4日生まれ/前所属:高知小津高校/ヴィッセル神戸入団
DF 山下訓広(やましたくにひろ)/182cm82kg/1986年5月29日生まれ/前所属:流通経済大学付属柏高校/ロアッソ熊本入団
DF 加藤広樹(かとうひろき)/191cm81kg/1986年7月31日生まれ/前所属:横浜F・マリノスユース/水戸ホーリーホック入団
DF 保崎淳(ほざきすなお)/173cm66kg/1986年3月14日生まれ/前所属:横浜F・マリノスユース/水戸ホーリーホック入団
FW 池田圭(いけだけい)/178cm72kg/1986年10月20日生まれ/前所属:流通経済大学付属柏高校/サガン鳥栖入団
MF 西弘則(にしひろのり)/168cm58kg/1987年2月25日生まれ/前所属:熊本国府高校/ロアッソ熊本入団
GK 椎名一馬(しいなかずま)/178cm70kg/1986年8月25日生まれ/前所属:流通経済大学付属柏高校/ファジアーノ岡山入団
DF 徐 錫元(ソウソクウォン)/192cm85kg/1985年5月19日生まれ/前所属:流通経済大学付属柏高校/城南一和入団
FW 林 相協(イムサンヒョプ)/180cm74kg/1988年7月8日生まれ/前所属:チャンフン高校(韓国)/全北現代入団

(文・後藤勝)
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2008年11月11日

030【関東社会人】「スキルの差を埋めて」(第42回関東社会人サッカー大会2回戦/11月9日/坂戸シティーFC vs. tonan前橋/神奈川県立体育センター球技場(ローン))

 関東社会人2回戦は県立体育センター陸上競技場での試合と同時に球技場(ローン)でも行われた。球技場にはメインに小ぶりな、それでもサッカー観戦には十分な傾斜と座席を有するスタンドを持つ。ゴール裏とバック側にはスタンドは無いものの、ピッチレベルからの観戦が標準とも言えるこのカテゴリーでは十分過ぎる環境だ。
 この球技場での第2試合は今季2部から昇格し、一気に埼玉県1部3位で関東社会人へ初の出場権を獲得した坂戸シティーFCと、6年連続で関東社会人に出場している「常連」tonan前橋との対戦となった。


 全国的に名前の知れた選手のいない坂戸シティーに対し、2年連続で全社への出場も果しているtonan前橋には鏑木豪(元FC東京など)、森田真吾(元横浜FCなど)、氏家英行(元大宮など)などの元Jリーガーを始め、韓国U-17、U-20代表経験を持つ黄圭煥(前大田シティズンFC)、さらにはブラジル籍選手までが在籍する。選手の名前だけで勝敗が決まるなら、試合前からtonan前橋の勝利は決定していただろう。
 しかし、サッカーの面白さは下克上にある。個人技に差がある言われるチームへ対し、どのように挑んでいくのか?それは世界で戦う際の日本の課題でもある。

 坂戸シティーはスキルの高い相手に対し、始めから試合を放棄するようなことはしなかった。むしろ積極的な出足で勢いを呼び込み、序盤を支配。すると前半10分、FKからのこぼれ球をプレーイングマネージャーの熊谷哲平(前飯能ブルーダー)が右足で決め、坂戸シティーが先制。
 その後も坂戸シティーが切り替えの早さと連動性で試合をコントロールするものの、個人のスキルに勝るtonan前橋が徐々に反撃を開始。前半19分、FKから上田敏之(前専修大)が押し込んで同点とし、更に攻勢を強めるtonan前橋に対して序盤の勢いを失った坂戸シティーは前半25分以降、守勢に立たされる場面が多くなる。

 後半も試合はtonan前橋がボールを支配。それでもシンプルな攻撃でゴールを目指す坂戸シティーは後半20分に相手DFラインの裏へ抜け出した熊谷がフリーでシュートを放つも、tonan前橋のGK中村楽(元V神戸など)に防がれてゴールならず。一方、ボールを支配するもゴールが遠いtonan前橋は時計が進むにしたがって苛立ちを見せ始める。その状況を打開したのは元U-20代表の氏家。後半32分にペナルティーエリア外より放ったシュートはスリッピーなピッチを滑りゴールへ。相手DFにあたってコースが変わったラッキーもあったが、勝負に対する気持ちで勝利を近づけた。
 残り15分を切ったところでリードを奪ったtonan前橋はキープをしながら時間を稼ぎ、試合終了。1-2でtonan前橋が準決勝へ駒を進めた。


 スコアーだけみれば順当にtonan前橋が勝った試合だったが、内容的には個人のスキルで押し切った形。勝って当然と目されるtonan前橋に対し、初出場坂戸シティーの健闘が光った。
 坂戸シティーはワンタッチ目のボールコントロールで視野を確保し、動き出した味方へ少ないタッチ数でパスを送るという基本に忠実なサッカーを展開。選手個々人の差を正確なボールコントロールと連動性で埋めるサッカーは、日本サッカーが目指した一つの理想を体現したものだった。
 日本が育成年代から取り組み、長い時間をかけて育んだ組織的サッカーは今や6部チームのスタンダードとなるまでに広く浸透している。

 この試合では両チームともサポーターがチームへ声援を送っていた。Jチームが広がりを見せている今、サポーターもより身近なチームへと目を向け始めている。社会人のチームは規模が小さい分、選手・スタッフなどのチームとサポーターとの間にファミリー的な空気がある。サポーターはチームと共に歩みながら上を目指すことになる。
 既成のJチームを応援するだけではなく、もっと身近なマイ・クラブを持つ。日本サッカーの広がりが、このスタンドからも見えてくる。


 6部カテゴリー屈指のメンバーを揃えるtonan前橋はあと1勝で6年越しの夢、関東の舞台へ戻ることが出来る。その悲願の前に立ちはだかるのは東京海上日動火災(株)サッカー部。坂戸シティーよりもさらに組織的でクレバーなサッカーを展開する好チームだ。
 個人技のtonan前橋か?組織力の東京海上日動か?好対照の両チームは11月15日13時より、相模原麻溝運動公園球技場にて激突する。

(文・北沢耕一)
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2008年11月10日

029【関東社会人】「東京王者“BUILCARE”ベスト4進出!」(第42回関東社会人サッカー大会2回戦/11月9日/横浜猛蹴 vs. (株)日立ビルシステムサッカー部/神奈川県立体育センター陸上競技場)

 小田急江ノ島線の善行駅を降りてすぐ「第42回関東社会人サッカー大会会場」と記された看板の脇をくぐると、そこはじつに立派なスタジアムで、思わず感嘆の声を上げてしまった。
 Jリーグを見慣れた目からすれば“みすぼらしい”と言ってもよいのかもしれない。しかしふだん都リーグで使っている普通のグラウンドと比べたら、その品格のちがいは一目瞭然である。かつて神奈川サッカー界のメインスタジアムだった県立体育センター陸上競技場は、神奈川社会人サッカーのメッカとして、いまも生命を吹き込まれている。
 試合前、横浜猛蹴(たける)の関係者がスタンドからピッチに向かい、ボールを拾うように指示すると、下に居た選手からは「拾わなくていいんですよ」という声が返ってきた。なんとこの会場には8人のボールパースンが用意され、マルチボールシステムでゲームが行われるのだ! 気まぐれなギャラリーからの返球を待つのが当たり前の都道府県リーグを思えば、なんと本格的なのだろうとの感慨を禁じえない。日々の試合結果更新とあわせ、ホストである神奈川県サッカー協会のやる気がうかがいしれる。

 2回戦第1試合は隣の球技場に数十秒遅れて始まった。先にペースをつかんだのは、若さをみなぎらせ、ガツガツと勝負に来る神奈川県リーグ1部1位の横浜猛蹴。蹴って走るスタイルかと思いきや、個人技やワンツーで狭いスペースを突こうとする意欲もあり、なかなかに面白みがあるチームだ。
 いっぽう、その欧文企業ロゴから“BUILCARE”の愛称で親しまれる、東京都リーグ1部1位の日立ビルシステムも負けてはいない。15分過ぎから決定機を作り始めると、MF山口のロングスローを中心に主導権を奪い返し、前半も真ん中を折り返してからは、ほぼ日立ビルシステムのゲームとなった。
 キレイに4-4-2の布陣を保ち続けた両チームは、相手守備を崩しきることなく、0-0で前半を終えた。

 ハーフタイムが明け、後半開始直前。円陣を組む声は上下青のユニフォームに身を包んだ横浜猛蹴のほうが大きかった。女子マネージャーの存在もあり、まるで部活の雰囲気。若さとはいいものだと思っていると、ひとり遅れた選手がベンチのサブメンバー数人と肩を組み、ピッチへ出て行く。えてして勝負事ではこういうリズムの選手がヒーローに躍り出たりするものだが──。
 いっぽう、柏レイソルと同じ配色のユニフォームに身を包んだ日立ビルシステムは、ゲーム運び同様の落ち着きぶり。この差が試合にどう現れるか。

 後半7分に日立ビルシステムの14番吹原がシュートを左に外すと、11分には横浜猛蹴で名目上監督・コーチ・主将を兼任する28番鳥毛が後方からのパスをヘディング、左に外す。そうしてほぼ互角の展開で進んだ17分、個人技で左サイドから中央へと割って入った20番斉藤のパスを受けた鳥毛がシュート! その跳ね返りを、遅れて入場した件の選手が押し込む。ついに均衡が破れたかと思われたが、判定はオフサイド。彼はヒーローになりそこねた。
 こうなると流れは日立ビルシステムのもの。途中出場のFW鶴岡が右サイドを突破して吹原にパス。すぐさま蹴ったシュートはキーパーに弾かれるが、そのリバウンドを再び蹴り込み、ついに先制。勝利がグッと近づいた。

 しかしそうは問屋が卸さないのが関東社会人。上のカテゴリーにおける地域決勝もそうだが、この種の短期決戦は内容だとか実力を超えた次元の勝負となる。フットサルのような足裏のテクニックを駆使し、ゴリゴリと突き進む斉藤、そして途中出場の16番川崎健太郎(※カターレ富山の選手と同姓同名だが別人である)、ふたりの個人技を軸に横浜猛蹴が猛反撃。40分、斉藤の蹴った右コーナーキックがファーに飛ぶと、その折り返しを19番坂本がシュート。これは弾かれるが、川崎が押し込んでゴールを決めた。試合終了間際、執念の同点劇。
 そう、これは関東リーグへの昇格を狙うと同時に、地域の覇権を賭けた「関東チャンピオンズカップ」と言ってもいい大会。勝利の女神が簡単に微笑んでくれるはずがない。日立ビルシステムは終盤に退場者を出し、悪いリズムのまま後半を戦い終えた。今年は規定により延長戦がなく、すぐにPK戦。結果的にこれが日立ビルシステムに味方した。
 4本目までに日立ビルシステムはふたり、横浜猛蹴は3人が外し、日立ビルシステムが1点リード。最後はキッカーとして攻撃を形作ってきた山口が、左足でゴール右隅へ速いシュートを蹴り込んで勝負あり。苦しみぬいた日立ビルシステムが準決勝進出を決めた。

 試合後、チームを代表して日立ビルシステムの飯島幸嗣監督に総評をうかがった。
──きょうの評価をお願いします。
「最終的には一発勝負を気持ちで勝ったという部分があるので、この流れを変えずに(次の準決勝も)行きたいと思っています」
──短期決戦ではなかなか実力どおりの結果になりづらく、難しいですね。
「ぼくたちがめざすところは、その先です。勝ちにこだわりながらもゲームをコントロールしていく、というところ。きびしいゲームながらも勝ちにつなげることができたのは、そのゲームコントロールのおかげなのかな、と」
──いつもの「人とボールが動く」というサッカーは出し切れなかった部分もありますか。
「すべてがそうだったとは思っていないです。選手の意識としては、局面では表現できた。ただその回数を増やしていかないと、ぼくたちがめざしているところには辿り着かないかなと思います。ちょっと厳しい目で見ていますが」
──ゲームの支配権を握ったあと、追いつかれてしまったのは何が足りなかったのか。
「あそこはやはり、間延びしてしまった。相手も、最後の最後でイキのいい選手を入れてきてイケイケのなかで、プレーをさせるスペースを与えてしまった。受身になった悪いタイミングでコーナーキックを与えてしまいました。精神的なところとゲームの流れで、いちばん……なんというのか、あってはいけないコーナーキックでした。時間帯も含めて。ゲームを切り、リセットして自分たちのディフェンスを見直すことができなかったのが失点の原因だと思います。間延びすることなく、積極的なディフェンスをやればよかった」

 昨年につづきベスト4中3チームを東京勢が占めるかと思われたが、日立ビルシステムの選手、スタッフが見守るなか、FC新宿は横浜GSフットボールクラブ・コブラに敗れた。前日の1回戦につづき、決勝点を決めたのは外池。あの外池大亮である。
 日立ビルシステムサッカー部は所属企業の理解を得、関東リーグで戦うことを目標としているという。その夢の舞台まであと1勝。しかし、外池擁する横浜GSフットボールクラブ・コブラが眼前に立ちふさがる。外池を抑えながら、リーグ戦で見せたようなムービング・フットボールで主導権を握り、得点することができるのか。
 注目の一戦は11月15日(土)11時、相模原麻溝運動公園競技場にてキックオフ。

(文・後藤勝)

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(写真・後藤勝)
タグ:関東社会人
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2008年11月07日

028【天皇杯4回戦】「格上相手だから出来ること」(第88回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦/11月2日/ジュビロ磐田 vs. 栃木SC/ヤマハスタジアム)

 天皇杯も4回戦まで進むとJ1チームが登場する。ここからはJチームが主役となり、元旦国立を目指す争いが本格的にスタートすることとなる。
 「本当の日本一決定戦」と大会公式パンフレッドに書かれている天皇杯全日本サッカー選手権大会だが、熾烈な優勝争い・残留争いをしているJのチームにとっては元旦国立よりも目の前のリーグ戦の勝利が重要だ。そのため、格下が相手となる4回戦では一部J1チームはJリーグの試合とはメンバーを入れ替えて天皇杯へ臨むことがある。
 先日行われた天皇杯4回戦ではジェフユナイトッド千葉と大分トリニータがリーグ戦とメンバーを入れ替えて試合に臨み、犬飼日本サッカー協会会長より苦言を呈されたという報道もある。だが、メンバーを入れ替えたのは千葉・大分だけではない。

 11月2日に行われたJ1所属のジュビロ磐田とJFL所属の栃木SCの試合でジュビロ磐田は直前のJ1リーグからスターティングメンバーを実に10名入れ替えて試合に臨んだ。チームはJ1残留争いの最中にあり、主力を温存したと言われても否定できないだろう。
 一方、格下の栃木SCは当日考えうる最強のメンバーで試合に臨んだ。

 主力を温存することは観客と大会の格に対して失礼だ。という意見もあるが、格下のチームからすればチャンスが増えることを意味する。JFLで調子の上がらない栃木SCにとってはチームが自信を取り戻す絶好の機会ともなる可能性がある一戦だ。


 J1で30節が終了時点で17位と自動降格圏内にいるジュビロ磐田にとって、最優先課題はもちろんJ1での残留。主力を温存しスターティングメンバーを大幅に入れ替えたものの3-5-2と、固定化されたフォーメーションをとった。
 一方の栃木SCは3日前に行われたガイナーレ鳥取戦と同じく、1トップの下に2人の選手を並べる1トップ2シャドーの3-6-1で試合に臨んだ。

 試合は前半、前線と守備陣とが間延びして中盤のプレッシャーをかけられないジュビロ磐田に対し、栃木SCは中盤で自由にパスを回してボールを支配。しかし、ボールは支配するもののジュビロ磐田の3バックを崩すことが出来ず、バイタルエリアの前でボールを動かし続けることは出来るもののゴール前で決定的な攻撃を見せることは出来ない。
 逆にボールは支配されるものの個々人の能力に勝るジュビロ磐田は固い守備からボールを奪い、前線の2トップ、中山雅史、カレン ロバートの個人技を中心に反撃を試みる。
 すると前半43分、ジュビロ磐田はFKからボランチ河村崇大がフリーで抜け出しヘディングでゴール。ワンチャンスをゴールに結びつける個人の強さを見せ、前半はジュビロ磐田の1点リードで折り返した。

 後半、先制したジュビロ磐田は前半よりも積極的な動きを見せ始め、中盤でのプレスを強めて試合の主導権を握る。劣勢に立たされた栃木SCだが、攻勢に出てDFラインを上げて来たジュビロ磐田の裏を突くことに成功。後半21分にDF山崎透がインターセプトから1トップ松田正俊とのワンツーからDFラインを抜け出した佐藤悠介へパス。佐藤はドリブルでジュビロ磐田守備陣を抜け出して冷静にゴールへ流し込み、同点に追いついた。
 劣勢の中での同点に沸き立つ栃木SCゴール裏と選手は逆転へ向けて士気を高めたが、その僅か3分後にカウンターから中山が体勢を崩しながらもゴール。更に後半27分にもカウンターから途中交代、太田吉彰にゴールを決められて試合終了。
 終わってみれば3-1でジュビロ磐田がJ1チームの貫禄を見せた結果となった。


 木曜日にガイナーレ鳥取との準加盟同士の負けられない試合を行い、中2日で試合を行った栃木SCのコンディションが万全でなかったことは確かだ。
 チーム全体として見れば、特に前半はジュビロ磐田には集中力に欠けるプレーも見受けられ、栃木SCの方が気持ちの入った試合展開を見せた。栃木SCのコンディション面が良ければ、前半はあるいは?という場面もあった。また、8日間で3試合をフル出場した3バックが試合後半に足が止まらなければ、結果は違ったものとなったかもしれない。
 だが、それとは別にここぞの勝負強さではジュビロ磐田が一枚上手であった。決定的な仕事をいかに正確にこなせるのかという選手個々人の能力は、コンディション以上の差があった。

 ここ数試合栃木SCの課題はゴール前での勝負強さだ。JFLでも中盤ではボールを保持できるものの、ペナルティーエリア内で勝負する動きは少ない。この試合の前半でも同じことが見えた。
 後半の得点シーンは相手のDFラインが上がった状態でのカウンターからの得点であり、ボールを保持して相手を崩した形ではなかった。

 JFLでの栃木SCは警戒される存在であり、相手は引いて守ることが多くカウンターから得点を奪うことは難しい。天皇杯4回戦のように、格上でも前へ出てくる相手に対しては得点を奪う力はあるだけに、いかに引いた相手からゴールを奪うのか?そこに栃木SCの課題が存在する。

(文・北沢耕一)

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栃木SCと苦楽を共にしてきたサポーターにとって、J1チームとの対戦は大きな意味を持つ。(写真・北沢耕一)
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2008年11月06日

027【JFL】「引っ張れ引っ張れ」(2008JFL後期13節/11月1日/横河武蔵野FC vs. 三菱水島FC/武蔵野市立武蔵野陸上競技場)

 今年のJ1リーグは面白い。上位も下位も勝点差が拮抗しており、4節を残してどのチームが優勝するのか?また降格するのか?予断を許さない。それと同じように、JFLの上位争いも目が離せない。
 Honda FCが頭一つ抜け出し優勝へ向けて足元を固めているが、準加盟チームによる4位以内を目指す戦いはこれからが本番となる。優勝チームが決まり、そこで一区切りつくのではないというのはJFLの新たな魅力と言える。

 今季は「4位以内」という準加盟チームのJ参入への成績面での条件確定したJFLだが、昨季より降格制度も固定化された。リーグ開催要項にある『JFL17位、18位のチームは所在地に属する地域リーグ(地域最上位リーグ)に自動降格し、全国地域リーグ決勝大会1位、2位チームがJFLに自動昇格する。また、JFLの16位チームは全国地域リーグ決勝大会3位チームと入替戦を実施し、その勝利チームがJFLとなり敗者チームが所在地に属する地域リーグ(地域最上位リーグ)となる。』というのがそれだ。
 平たく言えば18チーム中の下位2チームが自動降格。16位のチームについては地域決勝3位チームとの入替戦を行うというものだ。
 しかし、ここには準加盟チームの動向が関わってくるから複雑になる。

 JFLからJへ参入するチームが“0”の場合、要項どおりの「自動降格2チーム+入替戦1チーム」となるが、J参入チームが“1”の場合は「自動降格1チーム+入替戦1チーム」、J参入チームが“2”の場合は「最下位のみ入替戦」となり、J参入チームが“3以上”になると最下位でもJFL残留となる。
 つまり、JFLで下位のチームとしては準加盟チームにはなんとしても4位以内へ入って欲しいという状況が生まれる。

 JFLには「門番」と称されるJを目指さない強豪チームがある。その代表格はHonda FCだが、今季4位以内をキープし続けていた横河武蔵野FCも「門番」と言える存在だ。
 「門番」は準加盟チームにとって嫌な存在だが、それと同じ様に降格圏内にいる下位チームにとっても嫌な存在だ。11月1日の武蔵野陸上では、「門番」6位横河武蔵野FCと「崖っぷち」最下位三菱水島FCが激突した。


 今季はリーグ序盤より常に上位をキープし続けてる横河武蔵野FC。2003年にクラブチーム化したアマチュアチームで選手は働きながら夜に練習をしている。練習場は人工芝だがラグビートップリーグに所属する横河武蔵野アトラスターズや下部組織も練習で使用しており、全面を利用できるわけではない。
 そんなハンディを持ちながらも、前線からの全員守備でゴールを守り、手堅く勝点を積み上げて後期12節終了時点で6位。しかし、夏以降は調子を落としており、特に得点力不足は懸案事項となっている。

 一方、企業チームである三菱水島FCの選手はほぼ全員三菱自動車水島製作所に勤務しており、2交代制の工場勤務をこなしながら土のグラウンドで練習を行うというJFL屈指の厳しい環境でサッカーへの情熱を燃やしている。この試合でも岡山県からバスで10時間かけて移動しており、その環境に根を上げ辞めていく選手も多いという。そんな中でもJFLで戦うチームは、真の社会人チームと言える。
 だが、やはり環境面でのハンディは大きく、今季は29試合で3勝5分21敗の勝点14で最下位。

 共にサッカーに集中できる環境にいるとは言えないアマチュアチーム同士の対戦は前半、横河武蔵野FC優位の展開で進んだ。


 序盤からボールを支配した横河武蔵野FCだが、荒れたホームのピッチに足を取られて思うようにボールをコントロール出来ない。住宅街の中にあり、利用頻度の高い武蔵野陸上は秋になると芝がところどころ剥げてくることで知られており、「アウェイの洗礼」と言われることもある。
 10年前に比べれば良くなったとは言え、この試合ではボールを蹴るたびに砂が舞っていた。公式戦では7月19日以来となる武蔵野陸上のピッチに、両チームが苦しむこととなる。

 それでも地力に勝る横河武蔵野FCは前半40分、FW金子剛が一人で持ち込んでゴール。前半は横河武蔵野FCリードで折り返す。

 後半に入りなおも追加点を狙いたい横河武蔵野FCだったが、残留のために負けられない三菱水島FCが反撃。ボールを奪った後に全員で前へ出る姿勢で人数をかけて攻めると後半14分、右サイドバック三宅一徳のクロスをペナルティーエリア内でFW中川心平が落とし、走り込んで来たボランチ山下聡也が押さえの効いたボレーをゴールへ叩き込み、同点に追いついた。

 その後も守勢に立たされながらもGK永冨裕尚のファインセーブもありゴールを守りきった三菱水島FC。積極的な選手交代でゴールを目指すいつにもない積極的なベンチワークも見せ、隙を見ての反撃も折り混ぜながら1-1で試合は終了した。


 三菱水島FCは戦力的にも環境面でも劣ると言われながらも上位相手に好ゲームを見せた。1年間使われ続けたセンターバックの萩生田真也、坂口遥のコンビがここにきて落ち着きを出してきており、GK永冨も成長を見せているなど、試合の中で各選手のレベルアップが図られてきている。また、唐木航太や高卒2年目の田平謙が中盤の汗かき役となり、ボランチ山下の攻撃力が発揮させることに一役買っている。
 チームを取り巻く環境は厳しいが、「門番」横河武蔵野FCの足を引っ張りJFL残留へ向けて一歩前進。

 一方の横河武蔵野FCは17本と、三菱水島FCの6本に対して3倍近いシュートを放ちながらも1得点に留まり決定力不足を露呈させた。相手GKの好守はあったものの、課題を見せた試合だった。




 リーグ終盤に入ったJFLはHonda FCが王手をかけており、次節にも優勝の可能性がある。しかし、J参入を巡る攻防はここからが見どころ。中位がほぼ決定しているチームでも、準加盟チームとの対戦では選手の目の色が変わる。プレッシャーのかかる準加盟チームにとって、なくすものが無いアマチュアチームの勢いは脅威となるだろう。


 とは言え、リーグ終盤は毎年各チームの選手が来季を見据えてナーバスになる季節でもあり、それは試合のパフォーマンスへも影響を見せている。また、各チームも来季を向けての動きを始めており、横河武蔵野FC・ニューウェーブ北九州・SAGAWA SHIGA FC・MIOびわこ草津の各チームではセレクションの募集も始まっている。

 リーグ終盤の順位争いと来季への展望と不安が入り混ぜとなった狂騒状態も、残すところ4節となった。

(文・北沢耕一)
posted by 3rdFlightFootball at 12:38 | TrackBack(0) | JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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